加齢で衰えやすい筋肉はどこ?衰えやすい順と今日からできる対策【千葉駅パーソナルジムImproveが解説】
「階段がきつくなった」「何もないところでつまずく」。そんな変化の裏には、筋肉の衰えがあります。
実は、筋肉は全身が同じように衰えるわけではありません。衰えやすい筋肉と、衰えにくい筋肉があるのです。
この記事では、衰えやすい筋肉の順番と理由、今日からできる対策を、千葉市中央区のパーソナルジムImproveが解説します。
この記事の結論
- 特に衰えやすいのは太もも前とお腹
- 力こぶの筋肉は、60代までほとんど衰えない
- 年齢とともに細くなるのは、素早く力を出す速筋線維
- 筋肉は何歳からでも、鍛えれば応えてくれる
筋肉は「脚とお腹」から衰える
日本人4,003人を調べた研究では、筋肉量の減り方が最も大きいのは脚でした(谷本ら, 2010)。
さらに細かく部位を見たデータだと、20代を100としたとき、70代では**太もも前は約80%、お腹は約70%**まで減少します。一方、力こぶの筋肉(上腕前部)は60代まで男女ともにほとんど変化がありません。太もも前とお腹の減少は特に50代以降に目立ち、10年で約10%のペースで減っていきます(福永哲夫『貯筋のススメ』)。
海外の研究でも同じ傾向です。2023年にオランダ・マーストリヒト大学のグループがMRIで下半身の筋肉を部位ごとに測定したところ、高齢男性(平均71歳)の下半身の筋肉量は若年男性より約20%少なく、差が最も大きかったのは太もも(約24%)でした。骨盤まわり(約15%)、すね・ふくらはぎ(約12%)と比べても大きく、太ももの中では大腿四頭筋の差が最大でした(Fuchs ら, 2023)。また、日本人とドイツ人の男性を比べた研究では、どちらの国でも太もも前とお腹の筋肉が年齢とともに薄くなる傾向が共通していました(Abe ら, 2011)。
加齢による筋肉量の減少についてはは、こちらでも解説しています。 → 30代からの身体の変化--筋トレと食事で変わる理由
衰えやすい筋肉ランキング
複数の研究をもとにした目安です。
1位 太もも前(大腿四頭筋)
太もも前は、立ち上がりや階段、膝の安定など、日常動作の土台になる筋肉です。前述のとおり、加齢による減少が最も大きい部位として複数の研究で一致しています。
注意したいのは、筋力は筋肉の量以上に落ちるという点です。国内の研究では、高齢女性の太もも前の筋肉の厚さや断面積は若年女性の約1/2だったのに対し、膝を伸ばす筋力は約1/3にまで低下していたとのことでした。筋肉の量だけでなく、神経が筋肉に指令を出す働きも衰えていると考えられています。
2位 お腹(腹筋群)
お腹の筋肉は、70代で20代の約7割まで減るというデータがあり、太もも前と並んで衰えやすい部位です。
京都大学の研究グループが若年者(平均21歳)と高齢者(平均82歳)の体幹の筋肉を超音波で比べた研究では、腹筋の中でも**脇腹の内腹斜筋が約58%と大きく低下していましたとのことです。一方、お腹の奥で内臓を包み込む腹横筋の低下は約19%**にとどまり、比較的保たれていましたという結果でした。
「お腹が出てきた」という変化は、脂肪だけでなく、お腹を内側から支える筋肉の衰えも関係しています。
お腹についてはこちらの記事もご覧ください。 → お腹だけ痩せたい人へ。部分痩せの真実。
3位 背中(脊柱起立筋)
同じ京都大学の研究で、**最も大きな低下率を示したのは背すじを伸ばす脊柱起立筋(約59%)**とのことでした。
さらに、65歳以上の方を4年間追跡した研究では、腰の背筋は「量」よりも「質」(筋肉が霜降りのようになる)の低下のほうが速く進むことが報告されています。太においても、年齢とともに同様の現象が、5万人以上のMRIデータから示されているようです(UK Biobank, 2024)。
つまり見た目のサイズは変わっていなくとも筋肉は衰えていってしまうということが言えます。
4位 股関節の奥(大腰筋)
大腰筋は、背骨と太ももの骨をつなぐ深層の筋肉で、脚を持ち上げる動作や骨盤・背骨の安定に関わります。前述の研究では、高齢者の大腰筋の厚さは若年者の約半分(低下率約50%)でした。
大腰筋が弱ると脚が上がりにくくなり、すり足やつまずきの原因になります。
5位 お尻(大殿筋・中殿筋)
お尻の筋肉は、座っている時間が長い生活で特に使われにくい筋肉です。MRIの研究では、骨盤まわりの筋肉量は高齢男性で約15%少なくなっていたとの結果でした。
大殿筋は立ち上がりや姿勢の保持、中殿筋は片脚で立ったときに骨盤を安定させる役割があります。歩くときに体が左右に揺れる、片脚立ちでふらつくといった変化は、お尻の筋肉の衰えのサインかもしれません。
6位 すね・ふくらはぎ
加齢による減少は太ももほど大きくありませんが、つま先を上げるすねの筋肉が弱ると、わずかな段差でもつまずきやすくなります。
また、後述するように、運動不足や安静が続いた場合には、ふくらはぎは最も落ちやすい筋肉のひとつです。
7位 二の腕の裏(上腕三頭筋)
上半身は下半身より衰えにくいものの、二の腕の裏は日常生活で強く使う場面が少なく、たるみとして変化に気づきやすい部位です。
なぜ太もも前やお腹から衰えるのか?3つの理由
理由1:日常生活では大きな力を出す機会が少ない
太もも前やお腹の筋肉は、立ち上がりや階段、重い物を持つときには大きな力を発揮します。しかし、平らな道を歩いたり座ったりしているだけでは、強い刺激が入る場面はほとんどありません。便利な生活になるほど、これらの筋肉は「使っているようで使っていない」状態になりやすいのです。
理由2:「速筋線維」が細くなる
筋肉には、素早く大きな力を出す**速筋線維(タイプⅡ線維)と、持久力に優れた遅筋線維(タイプⅠ線維)**があります。
若年男性(平均23歳)と高齢男性(平均71歳)を比べた研究では、太もも前の断面積は若年者の約80cm²に対して高齢者は約68cm²でした。この差の主な原因は、筋線維の数が減ったことではなく、速筋線維が細くなったことでした(Nilwik ら, 2013)。
「歩けるけれど、とっさに踏ん張れない」「素早く立ち上がれない」という変化は、この速筋線維の衰えと関係しています。
そして、この研究には希望の持てる続きがあります。高齢男性が6か月間筋トレを続けたところ、速筋線維が約24%太くなり、太もも前の断面積も約68cm²から約74cm²に増えました。筋線維そのものが失われているわけではないため、鍛えれば太くできる余地があるということです。
理由3:体を支える筋肉は「使わない」影響を受けやすい
太もも、お尻、背中、お腹は、重力に逆らって体を支える抗重力筋です。座る時間が長い、外出が減ったなど、体を支える時間が短くなると、真っ先に影響を受けます。
運動不足・安静の場合は「ふくらはぎ」も要注意
加齢でゆっくり衰える筋肉と、使わないとすぐ衰える筋肉は、完全には同じではありません。
5〜120日間の安静(ベッドレスト)研究を分析したシステマティックレビューでは、**萎縮の度合いが最も大きかったのはふくらはぎ(ヒラメ筋・腓腹筋)**で、次いで太もも前でした(Marusic ら, 2021)。
ケガや体調不良でしばらく動けなかったあとは、ふくらはぎと太もも前を意識して、少しずつ体を戻していくことが大切と言えます。
【セルフチェック】衰えのサインを見逃さない
| こんなサインがあったら | 衰えが疑われる筋肉 |
| 椅子から立つときに、手をついたり反動をつけたりする | 太もも前・お尻 |
| 階段を上るときに手すりが必要 | 太もも前 |
| 片脚立ちで靴下がはきにくい | お尻(中殿筋)・体幹 |
| 家の中のわずかな段差でつまずく | 股関節の奥(大腰筋)・すね |
| 歩幅が狭くなった、すり足になった | 股関節の奥(大腰筋)・お尻 |
| 猫背になった、長く立つと腰がつらい | 背中・お腹 |
このうちいくつかは、日本整形外科学会が運動器の衰えを確認するために作成した「ロコチェック」にも含まれている項目です。痛みやしびれがある場合は、無理をせず医療機関にご相談ください。
衰えやすい筋肉を守る、自宅でできる3つのトレーニング
衰えやすい筋肉を効率よく守るポイントは3つです。
- 大きな筋肉(太もも・お尻・体幹)から優先する
- 速筋線維を意識して、「素早く立つ」要素を入れる
- 週2〜3回を目安に続ける(厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、筋力トレーニングは週2〜3日が推奨されています)
① 椅子スクワット(立ち座り) 太もも前・お尻
- 椅子に浅く座り、足を腰幅に開く
- 胸を張ったまま、1秒で素早く立ち上がる
- 3秒かけてゆっくり座る(お尻が座面に触れたら、また立ち上がる)
目安:10回×2〜3セット ポイント:膝とつま先の向きをそろえます。立つときに素早く動くことで、衰えやすい速筋線維に刺激が入りやすくなります。
② ヒップリフト お尻・背中
- 仰向けで膝を立て、足を腰幅に開く
- お尻を持ち上げ、肩から膝が一直線になったところで2秒止める
- ゆっくり下ろす
目安:10〜15回×2セット ポイント:腰を反らせすぎず、お尻の筋肉で持ち上げる意識を持ちましょう。
③ 座ったまま膝上げ(シーテッドニーレイズ) 股関節の奥・お腹
- 椅子に浅く座り、背もたれに寄りかからずに背すじを伸ばす
- 片方の膝を胸に向かってゆっくり持ち上げ、1秒止める
- ゆっくり下ろし、反対側も同様に行う
目安:左右10回ずつ×2セット ポイント:上体が後ろに倒れないように、お腹に軽く力を入れたまま行います。
余裕があれば:すねを鍛える「つま先上げ」(壁に手をついて立ち、かかとをつけたままつま先を上げ下げする)を加えると、つまずき予防に役立ちます。
※痛みが出た場合はすぐに中止してください。持病のある方や治療中の方は、医師にご相談のうえ行ってください。
これまでも何もされていない方でしたら、これで十分効果はあります。また、普段運動やトレーニングをされている方も、コンディショニングとして取り入れていただくと良いです。
人によっては回数ができない、そもそもこの動作ができないという方もいらっしゃるかもしれません。
決して無理はなさらずで大丈夫です。できる種目で、しゃがみや動かす範囲を浅くしたり、回数を減らすなど可能な範囲で、慣れてきたら回数を1〜2回ずつ増やすなどしてみましょう。
自宅トレーニングにも限界がある
ただしこちらのトレーニングにも限界はあります。
筋肉は「慣れた刺激」には反応しなくなるためです。最初の1〜2か月は体が変わっていくのを実感できますが、同じ種目を同じ回数で続けていると、やがて現状維持のトレーニングになります。それが悪いわけではありませんが、特に衰えやすい速筋線維は、ある程度の負荷をかけないと刺激が入りにくいという性質があります。自重だけでは、どうしても負荷が足りなくなる時期がきます。
慣れてきたら、次のステップへ
「10回〜20回が楽にできる」「翌日に何も感じない」と思い始めたら、次の段階です。
• 回数ではなく、負荷を上げる(片脚で行う、ダンベルやチューブを使う)
• 動作の幅を広げる(しゃがむ深さを変える、片脚立ちの要素を入れる)
• 弱い部位を特定して、重点的に鍛える
ただ、ここからが難しいところです。どこを、どのくらい強くすればいいのかは、体の状態によって変わります。膝や腰に不安がある方が自己流で負荷を上げると、かえって痛める原因にもなります。
また負荷が少しずつ上がると少しきついなという心理から続けにくくもなってきます。
ですので次のステップに入るとき、しっかりパーソナルトレーニングで有識者に見てもらうのも有効な手段です。
現場での実例|40代女性のお客様の変化
「今から始めても遅いのでは」と思われる方もいますが、そんなことはありません。Improveに通われている40代後半の女性のお客様の例をご紹介します。
通い始めた頃
このお客様は、運動の習慣がまったくなく、筋肉量も少ない状態でした。
そしてよくつまずいたり転倒しやすい、膝を痛めやすい、ちょっとしたことで関節や筋を痛めてしまうといった状況であったそうです、
ご家族にも心配され、「体のためにトレーニングをしたほうがいい」と勧められたことがきっかけで通い始められました。
つまずきやすさは、この記事でお伝えした股関節の奥やすねの筋肉、膝のトラブルは太もも前の筋肉と深く関わっています。まさに、衰えやすい筋肉が弱っている状態でした。
週1回を、コツコツ続けた結果
週1回、ときには2〜3週空いてしまうこともありますが、自宅でのケアも行なって頂きながら続けた結果、
『トレーニングメニューのおかげで、日常生活のケガや身体の不調がほぼなくなりました。体力と筋力がつき、日常生活で疲れにくくなり、肩こりや腰痛もなくなって体が楽になりました。』
という変化のお声をいただきました。3ヶ月〜半年で顕著な変化が現れ、現在も少しスパンが空きながらも4年程お通いいただいております。
※個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
大切なのは『これから』どうするか
ケガをしやすい、体力がない、運動経験がない。そうした状態でもご安心ください。
大切なのは、今の状態を把握し、これから何をするかです。衰えやすい筋肉は、裏を返せば「鍛えれば日常が変わりやすい筋肉」でもあります。適切な種目と負荷で続けていけば、体は着実に応えてくれます。
そして週2から3回できると理想ではありますが、週1回の頻度でも運動経験のない方、筋トレ経験のない方でしたら十分に効果を出せます。大切なのは、続けることです。
5年後・10年後も動ける体のために
まずは自宅で対策できることを是非コツコツとやってみましょう。
そのうえで、「慣れてきたけれど、次に何をすればいいかわからない」と感じた方、また「正しく行えているかわからない」「膝や腰が不安」「一人じゃ続かない』という方いらっしゃいましたら、是非こちら千葉駅・千葉中央駅のパーソナルジムImprove(インプルーブ)へご相談ください。
トレーナー歴10年以上の有資格のトレーナーが、体調に合わせて無理なく続けられるプログラムをご提案いたします。
よくある質問
Q. 筋肉は何歳から衰え始めますか?
A. 筋肉量のピークは20代であり、そこから先は何もしなければ自然に減っていきます。
40代以降になると、この減少ペースはさらに加速し、年1〜2%のスピードで筋肉が失われていくというデータもあります
Q. ウォーキングだけでは足りませんか?
A. ウォーキングはもちろん健康に役立ちますが、速筋線維を鍛えるには負荷が足りません。スクワットなどの筋トレを組み合わせることが有効です。
Q. 高齢でも筋肉は増えますか?
A. 増えます。平均71歳の男性が6か月筋トレを続けた研究では、速筋線維が約24%太くなりました。
Q. どのくらいの頻度で行えばいいですか?
A. できたら週2〜3回行うことが理想的ですが、まずは週1回から始めてみて、習慣にしていくことが続きやすくおすすめです。
まとめ
- 特に衰えやすいのは太もも前とお腹。背中・股関節の奥・お尻も続く
- 年齢とともに細くなるのは速筋線維。寝込むとふくらはぎも落ちやすい
- 対策は、太もも・お尻・体幹を中心に週2〜3回の筋トレ
- 筋肉は何歳からでも、鍛えれば反応してくれる
Improveでは、お一人おひとりの体の状態やライフスタイルに合わせて、無理のないトレーニング計画と食事のアドバイスをご提案しています。加齢による筋肉の衰え対策、フレイル予防のためにぜひ千葉のパーソナルジムImproveへご相談ください。無料カウンセリング・無料体験を実施しております。LINEやメールでのご相談のみでも構いません。お気軽にご連絡ください。
参考文献
- 谷本芳美ほか「日本人筋肉量の加齢による特徴」日本老年医学会雑誌 47(1), 2010
- 福永哲夫「貯筋のススメ ~使って貯めよう筋肉貯筋~」健康・体力づくり事業財団
- 市橋則明ほか「体幹筋筋厚の加齢変化 加齢による低下率の大きい体幹筋は何か?」理学療法学Supplement 35, 2008
- 「加齢による大腿四頭筋の形態的特徴および筋力の変化について」理学療法学 34(5)
- Fuchs CJ, et al. Thigh muscles are more susceptible to age-related muscle loss when compared to lower leg and pelvic muscles. 2023
- Nilwik R, et al. The decline in skeletal muscle mass with aging is mainly attributed to a reduction in type II muscle fiber size. Exp Gerontol, 2013
- Marusic U, et al. Nonuniform loss of muscle strength and atrophy during bed rest: a systematic review. J Appl Physiol, 2021
- Muscle Quality Deteriorates More Rapidly Than Muscle Quantity in Lumbar Paraspinal Muscles: A 4-Year Longitudinal MRI Study
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」